ドキドキする俺の心と裏腹に、T刑事さんは逮捕案件の動画のこと以外は全く触れなかった。
果たして泳がされているのか
俺の反応を見ているのか
全く分からなかった
モヤモヤしたままその日の取り調べは終わったのだった。
18:00に夕食。ローテーションが組まれているメニューの中でも一番豪華なパターンであった。
ハンバーグ、白身フライ、唐揚げというおかず。
いつしか俺も食事が完食できるようになっていた。
20:00にN先生が接見に来てくれた。
毎日毎日頭が下がる思いだった。
これまでの報告と併せ、勾留延長に対する準抗告が却下されたことを教えてもらった。
今度は10日間ではなく8日間の延長だった。
まるまる10日ではないとはいえ、まだ1週間以上もここから出られない。
そう思うと、気持ちは駄々下がりだった。
接見が終わり、日曜に頼んだ野菜ジュースをもらった。
油ものばかりのご飯なので、普段野菜ジュースなど飲むことがない俺が、この野菜ジュースをたまらなく美味しいと感じていた。
官弁では味わえない甘みも十分に感じた。
消灯後、しばらくすると気づかぬうちに寝ていた。