軽重こそあるだろうが、読者のみなさんにも自分の人生の恩人と言える人がいらっしゃると思う。
もちろん育ててくれた両親はそうだが、赤の他人にもかかわらず肉親と同じように自分と関わってくれた人というとは何者にもかえられない宝物だ。
特に受けた恩をあまり返せていないと思う人には、なるべく関わっていたい。
俺の人生で言うと、逮捕事実を知っていても俺を採用してくれた今の職場の責任者、そして元部下の女の子、もう一人が教員時代に後輩だったうたちゃんだ。
前にも書いたが俺は教員時代に2度自殺未遂をしている。1度目のとき、あまりの辛さに思わず電話して呼んでしまった彼だ。
その彼と今日、20年以上ぶりに会ってきた。
そんなに時が経ったとは思えないほど、うたちゃんは変わっていなかった。
なぜ再会する運びになったかは、今日のところは割愛する。
うたちゃんは俺を釣りに誘ってくれた。
釣りはパチンコと似ていると聞いたことがある。俺も歳をとっていくなかで、いつまでもパチンコを趣味にしているわけにもいかず、何か趣味を持ちたいと思っていたので、二つ返事で教えてもらうことにした。
海に出掛けた。
初心者でもやりやすいサビキという仕掛けを組んでもらった。
アジやフグ、名前の知らない魚が釣れた。
うたちゃんは入れ食い状態を予測していたみたいだが、なかなか釣れなかった。
うたちゃんは釣ったアジをエサにアオリイカを2回釣り損ねた。2回目は結構近くまでつり上げていてばらしてしまった。でも、イカが墨を吐くところをかなり近くで見ることが出来、結構興奮した。
釣果は大してなかったが釣りにはまる人が多いのも分かった。
またうたちゃんが釣れていってくれるなら、今度は自分も道具を用意しようかな。
暑くもなく寒くもなく、5月の風が本当に気持ち良かった。波の音を聞きながら釣糸を垂らしている時間は本当に貴重な時間だった。
うたちゃんには子どもが二人いるが、お祝いを渡せていなかった。恩人も恩人なのに、ずっとそれが引っ掛かっていた。
先週パチンコで大勝したとき、うたちゃんへのお祝いだけ別にしておいたのがよかった苦笑 毛すっからかんだ。
今日、お祝いを渡せた。
ほんの少しだが、肩の荷がおりた気がした。
次は10月に会う約束をしたが、俺もいつ死ぬかわからない歳になってきた。
本当に今日会えて、お祝いが出来たのは嬉しかった。
帰り、気持ちのいいままパチ屋に寄り、気持ちよく散ってきた。
あーーーーーーー
まあ、うたちゃんに会えただけで今日は幸せでした。
神様、うたちゃん、ありがとうございました!