第2章
指輪を取り戻すという本来の目的を叶えられたはずなのに、自分の勘違いの片思いで直前にそれを止めた俺の手元には、鳴海ちゃんの部屋の合鍵だけが残った。 横縞な感情が生まれた。 前に書いた通り、俺は口にするのも恥ずかしい犯罪を更に重ねてしまった。 人…
俺が大学に復学してからも、鳴海ちゃんと付かず離れずの関係は続いていた。 と言うのも、俺はたまたま鳴海ちゃんと同じ学科の女の子とひょんな拍子から付き合うことになったのだ。 それが、「モスチキン」で書いたちーだ。 ちーはその時、年上の男と付き合っ…
鳴海ちゃんとの恋に破れ、結婚できないことに絶望した俺は、大学を辞める決意をした。 極端すぎる考えなのだが、それくらい俺は誰かに依存していないと生きる価値すら見出だせなかった。 それは片思いでも、思い過ごしでも十分だった。しかし、告白して結論…
学生時代は暇だ。俺も人並みにバイトはしていたが、時間は腐るほどある。 小人閑居にして不善をなすとはよく言ったものだ。 特に趣味のない俺は、鳴海ちゃんへの思いが募るほどいても立ってもいられなかった。 かと言ってフラれた身。気軽に電話をしたり遊び…
鳴海ちゃん(仮名)との出会いはよく覚えていない。 俺と鳴海ちゃんは学部は一緒だが学科が違った。語学の講義のクラス編成上、俺と鳴海ちゃんの学科がまとめられて仮のクラスが作られており、それが出会いのきっかけと言えばきっかけだ。 今となれば鳴海ちゃ…
前回、俺の人生は女で失敗し、女で紆余曲折していることに触れた。 次は大学時代の変態的犯罪を書くと宣言したのだが…… ちょっとこの話は匿名ブログとは言え、オープンにする意味がないと思い始めた。 逮捕の件は、今後同じ罪で逮捕された人の一つの励ましに…