薬のせいか、もともとの怠惰な性格のせいか何もやる気が起きない。創作意欲もわかない。
俺はやはり誰か対象者がいて、その人のために何かをし、その人に認められるという行動が好きなんだと思う。
今日は取り調べもなし、本当にやることがない。そして食欲も元に戻る。
これからの人生のことを思うと大変なことがたくさんあるのに、なぜか落ち着いている自分がいる。アホなんだろう。
薬のせいなのか…
この部屋にじっとしていられる精神状態であることはとてもよいことだが、自分の人生のあり方を考えると自分で自分が恐ろしくなる気もするのだ。少し気が狂ってきているのだろうか。麻痺しているのだろうか。
とにかくここを早く出て、次の一歩を踏み出したいのだ。
ここでじっとしていても何の生産性もない。飯を与えられてそれを食べ、息をしているだけのただの豚だ。人間になりたい。
会社は俺がいなくても代わりの人が回し、平穏を取り戻す。
そう、大変なのは俺、自分自身だ。
俺の仕事の代わりをする人間はいくらでもいる。
俺の人生を歩む人間の代わりは誰もいないんだ。
自分で生きるしかないんだ。
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ああ、ただただ恥ずかしい……
ちなみに創作意欲というのは、この勾留生活を小説にでも書こうかと思っていた時間もあった、ということで。