真帆の店は俺は行ったことはなかったが、当時若くてかわいい女の子とNSで遊べると評判で急成長していた店だった。
久しぶりの風俗でありソープ。
電話するのもドキドキした。
あっさりと予約がとれ、翌日向かうことにした。
店までは車で3時間ほど。高速を使えばもっと速く行けるのだが、気晴らしも兼ねている。下道でドライブがてら行くことにした。
道すがら、前任校のある市区町村があった。
俺は遠くから前任校を見た。
ついこの間まで生き生きと教員生活を送っていた場所。俺は6年生を卒業させての異動だったので教え子はそこにはいなかったのだが、仲のよかった先生や俺が初めて1年生を教えた時の子どもたちはそこにいる。
俺は一体何をやっているのか。
子どもたちは頑張っているというのに。
正直情けなく、悲しくなった。
異動して1年も経っていないのに通る道見かける光景全てが懐かしく映った。
出来るならここに帰りたい。そんなことを思っていた。
途中コンビニに寄りながら、店に着いた。
いらっしゃいませ、ご予約のお名前を伺ってよろしいですか。
名前を伝え、車を預けた。
今は軽にしか乗っていないが、当時はRAV4に乗っていた。
高級店にドキドキしながらも、肩で風を切りながら偉そうに店に入った。
店は古いが(ソープは法の関係で新築は出来ず、リフォームするしかないそうだ)調度品や内装はさすがに高級店である。当時はまだ珍しかった自動便座を初めて見て、えらく感心した。
コーヒーを飲みながら雑誌を読んでいると、15分ほどして名前が呼ばれた。
たかさんさま、ご案内です。どうぞごゆっくり行ってらっしゃいませ!
黒服の場違いな大声に恐縮しながらエレベータに乗り込むと、そこに雑誌で見たまんまの真帆が立っていた。
いらっしゃいませ。今日はよろしくお願いします。
エレベータの中で軽くキスをした。
やはり、ドキドキしていた。
(つづく)