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児童買春で逮捕歴のある初老の冴えない爺さんが社会復帰に挑戦するブログ

ソープ嬢への恋 その19

10万払って真帆とどこで会い、どんな話をしたのか、全く覚えていない。

 

ただ、封筒に入れた10万を渡したとき、真帆は

「本当にいいの?貰うよ、本当にいいのね?」

 

そんな確認をされたことだけ覚えている。

 

そのときは本当にもったいないとか、真帆ががめついとかそんなことを思うことすらできず、ただただ真帆と会えた嬉しさと、今後は会えなくなる寂しさを越えた恐ろしさを感じていた。

 

DVにあう女性の話を聞くことがある。

なぜ傷つけられ痛い思いをしても離れられないのか不思議に思うのだが、この俺も暴力でこそないが、根本は同じだったのだと思う。

 

真っ白な紙の上に1滴墨汁がたれたら、非常に目立つ。そこばかりに目が行く。

 

日常酷いことをされても、ごくたまに優しくされたり大事にされたりしたら、そのレアな部分を相手の本心とか本質だとか信じ込んでしまう。

そんな感じなのだろうか。

 

真帆と俺は間に金がないと成り立たない関係だったが、「先生辞めちゃダメだよ」とホテルでランチしながら言ってくれた言葉、「No.1を3ヶ月連続でとったら店を辞められるからその時結婚しよう」と言ってくれた言葉、それが真帆の本心だと当時の俺は思い込んでいた。

 

だから、真帆がもうあいたくない、と言うのが俺にとっては大きな裏切りに思えた。

もう後には引けなくなっていた。

 

それは真帆に依存しきっている俺の弱さであり、ここまで1000万近くの金を真帆につぎこんてきたという俺の醜さであった。

 

真帆に会えなくなり、連絡さえつかなくなった俺は、ネットに真帆や店の悪口を書きまくっていた。

 

仕事も全くうまく行っていなかった。

 

真帆を失った俺は、前回も書いたように別のソープ嬢に依存した。

個人的にメアドを教えてくれた女に「何で俺なんかに優しくしてくれるの」とメールするようなめんどくさい男だった。

 

その子のこともご多分に漏れず好きになり、店でエッチもしなくなった。差し入れにケーキを山ほど買い、ただ愚痴をきいてもらい、慰めて貰っていた。

 

そして、メールでは「本当はエッチしたい」と送り、次に行ったときに相手に襲ってもらい泣きながらエッチする、そんなメンヘラーだった。でもその子は、決して俺をNGにはせず、俺を傷つけることはなく、相手になってくれた。

 

別の子は子どもがいた。

決して美人ではなかった。

ただ、金がなくなっていた俺が、安く生でエッチ出来る店の中で知り合った子だった。

でも、優しかった。

 

俺が好きだと言ったとき、ある程度真剣に受け取ってくれた。

その店には2つコースがあり、高い方のコースでないと生はダメだった。

いよいよ金がなくなり、安いコースしか入れなくなった時、その子は俺と生でしてくれた。

 

二人とも外で会うことはなかったし、俺自身もそれを求めなかった。メアドこそ知っていたが、しつこく送ることもなかった。

 

ただ、相当にイタイと言うか、面倒くさい客であったことに違いはない。

うまくあしらってくれていたと思う。

 

 

 

 

ある日、俺の携帯が鳴った。

 

末尾が0110の番号からだった。

当時の俺は知らなかったが、読者の方でピンと来る方もいらっしゃるだろう。

 

そう、 全国の警察はどこの警察署も末尾の番号が0110になっている。

 

 

そんなことも知らず電話に出た俺に、相手は名乗った。

 

「私、○○県警のストーカー対策室の古森(仮名)と言います。たかさんさんでお間違いないですか」

 

 

 

(つづく)