当たり前だけど俺には面会に来てくれる人なんていなくて、前の前の会社を辞めなければそれなりの年収も人望もあったんだと思う。けれど、友達がいない淋しさが分かってよかったんじゃないかなぁと思う。
自分の人生が狂い始めたのは短期的に見ればやはり前の前の会社を辞めたときだけど、でもあの時はどうしようもなかったもんなぁ。
辛くて、苦しくて。もちろん今ならそんなものは耐えられるんだけど、不正も許せなかったし、部下を育てられないのは自分じゃないかっていう思いも消えなかった。かと言って一人でやっても本当に無力で何もできなかった。すごい人に憧れの気持ちこそ持つが行動が伴わない。誰かに認めてもらったり褒めてもらったりしないと自分はやっていけない人間。道を切り拓くとかそんなかっこいいことはできない人間だと分かった。
それがいいとか悪いとかじゃなく、自分はそういう人間なんだと。そう思うと今の会社に拾ってもらったのは本当に宝くじを当てたようなことだったんだなぁ。
いろいろ気になったり頭をよぎったりしたのはやはり予知夢だったのだろうか。でもスケベ心は本当におさえられなかった。あほやなあと思う。
(つづく)