約3週間に渡る逮捕→勾留生活は、当たり前だが経験する人はそう多くはない。
だからこそ与える影響もかなり大きい。
釈放後、普通でない感覚が結構長く続いた。
例えば街でパトカーや護送車、警察官、果てはパトランプを見かけると、動悸が激しくなりかなりの恐怖感を覚えた。
別に釈放後何をしたわけではないが、とにかく警察に関係するものを見ると怖くて怖くて仕方なかったのである。
警察24時なんてテレビ番組もあるが、今でこそチャンネルを合わせて見ているが、当時は絶対に見たくなかったし、見られなかったのである。
警察にはお世話になり、お礼を持っていくほど感謝していたが、警察そのものには悪意しか持てなかった。
次に街で歩いていると、誰もがみんな俺が逮捕されたことを知っているように感じた。
すれ違う人すれ違う人みんな俺の顔を見て、あっ、この人児童買春で逮捕された人だ、と怪訝そうに見ているように感じた。
当時俺は駄礼とも目を合わせないようにとキョロキョロしながら歩いていたので、挙動不審と言うか、危ない人に見られていたように思う。
まあ、誰が逮捕されたなんて、かなり濃い関係や悪質な事件でもない限り仮に新聞やテレビで顔や実名が報道されたとしても気づくはずもない。
逮捕のニュースなど毎日扱われており、いちいち全てを覚えている人はいない。
でも、そんな冷静には思考できなかった。
あと、車を運転していると誰かが、と言うか警察がずっと後をつけているように感じた。
当時は運転しながらバックミラーをかなり注視しており、同じ車がずっと後をついてきていると、それが警察にしか思えなかった。
だから途中脇道やコンビニの駐車場に寄り、先に後の車を行かせ、見えなくなってから再出発したり、家に帰るのもあちこち曲がりながら敢えて遠回りをしていた。
それはそれは異常だった。
この感覚は忘れた頃には消えていたが、半年は続いた。
今はどれも残っておらず、ある意味普通に戻ったが、当時のおどおどした、怯えるような生活は忘れられない。
これも天罰の一つだと思っている。
前を向いて、お天道様に恥じない生き方が一番いい。