一つ目の余罪による再逮捕の件
ネットで何度も調べた。
過去に釈放後余罪がバレて逮捕されたという例があるのか。
答えは、ある。
釈放後2週間で再逮捕された例もあった。
俺は前にも書いた通り、N先生に相談し、それだけでは満足せず、無料の弁護士相談、法テラス、有料のネットでの弁護士相談と専門家に相談しまくった。
基本、「可能性は0ではないがまず大丈夫だろう」という回答だった。
釈放時、証拠となるスマホやパソコンは返却されており、もしその可能性があるなら押収されたままだっただろう、とかそれだけ念入りに調べられていて何もなかったということは、警察も認識していたかも知れないが見逃したのかもしれない、とかいろいろアドバイスはもらったが、気が休まることはなかった。
ネットでの有料相談の弁護士は自首の勧めもしてきた。
何もせず時効を待つか、少なくともまた罰金で済むよう自首するか。その選択を迫られた。
もう絶対に逮捕はされたくなかった。
自首したら罰金刑、せずに仮に再逮捕されたら執行猶予つきの実刑という予測もされた。
俺は自首すべきか本当に迷いに迷った。
その方がスッキリする。
でも、もう罰金を払う余裕はない。
自首すればまた弁護士費用がかかる。
弁護士は多分大丈夫という人の方が多い。
でも、俺が再逮捕されないという確証は何一つない。
どうしよう、どうしよう、どうしよう……
兄に、相談があるといって打ち明けた。
「わざわざ自分でばらす必要はない」と言った。
後々、こうやって相談したことが面倒なことを引き起こすのだが……
俺は最終的に、再就職を延ばすことで社会復帰の道が断たれるリスクを減らした。
アルバイトで暫く持たせよう。
その期間に仮に逮捕されても、大きな痛手にはならない。
正社員で採用されての逮捕となればまた懲戒解雇になってしまう。
バイトならただの解雇で済むだろう。
そんなことを考え、最終的には黙って時効を待つことを選択した。
そして、逮捕はなく時効を迎えこうしてブログで告白しているわけだが……
もやもやが残っている。
今後、もし逮捕されることがあり得る人への助言があるとしたら、基本は全部正直に話した方がよいと思う。
隠してそのときはバレなくても、その後ずっといつバレるのか、と毎日を恐れながら苦しまなければならない。
今逮捕された事件を捜査している警察署と、別の余罪を捜査している警察署が違う場合もあり得るそうだ。
特にいくつかの都道府県で援交しているケース(出張の時とか)は、そのリスクは存在し得る。
仮に余罪も含め、取り調べ中に正直に話すと、今回の件は見逃せないが、その他の事件は見逃してほしい、という願いを出す上申書を書くように警察が促すケースもあるそうだ。
俺ももう時効を過ぎたからこうして本音をかけるが、時効の期間がたつまでは、やはり心のどこかにまた逮捕されたらどうしよう、とずっと気は休まらなかった。
N先生に勾留中相談したときも、警察から話をふられるまでは黙っていればよい、と教えられたが、後でこんなに苦しむなら話しておけばよかった、とN先生を恨んだこともある。
認知されていない事件を自首するかどうかという判断は本当に難しい。
今、俺は再逮捕されなくてよかった、とホッとする反面、本当にこれでよかったのか、もしかするとT刑事さんを裏切ったのか、とか償っていない罪を抱えている後ろめたさにチクりと胸が痛むのも事実だ。
だから、俺は誓った。
少なくとも、これからはもう法を犯すことは絶対にしない、と。
交通違反など、軽微なことも俺は今、ブレーキがかかるようになっている。
辛かった勾留の日々を思い出すのだ。