逮捕されても前向きに生きるブログ~人生をやり直したい人たちへ~

児童買春で逮捕歴のある初老の冴えない爺さんが社会復帰に挑戦するブログ

パソコンとスマホ

東芝の白いダイナブックは俺のお気に入りのマシーンだった。

そしてジャパネットで買ったY!mobileAQUOSも使い勝手がよく、携帯の維持費も半分くらいに減って、重宝していた。

 

この二つは俺が逮捕されたときに押収され、釈放と同時に俺の元に返ってきた。

 

この二つがどうも収まりが悪かった。

一つは万一余罪が発覚し(或いは今回の釈放がただ泳がされているだけで)、再び逮捕となったとき、このPCやスマホは証拠品として押さえられる。

もちろん今回の逮捕で隅から隅まで調べられているに違いはないのだが、これらを持っていることが怖くて仕方なかった。

 

普段からPCを天井裏や玄関先にあるガス給湯器の奥にに隠しておこうか、などとバカなことを真剣に考えていた。

スマホGoogleフォトには削除したとは言えこれまでの盗撮が残っているわけで、警察もその気になれば復元くらい簡単に出来るだろうと思っていた。

 

俺は、これらを捨てることにした。

PCにもスマホにも大切な思い出や仕事のファイルが残っていたのだが、どうせ元の職業には就けないのだ。とっておいても仕方ない。

そして、大切な思い出も警察に全部見られたのだ。中には俺が地元を離れるときに彼女が送ってくれたビデオメッセージや、彼女がまだ大学生だったときのかわいいすっぴんの写真もあったのだが、警察に見られたことでそれら全てが汚されたような気がして仕方なかったのだ。

 

 

俺は彼女と元部下の男女3人だけの連絡先をメモって、携帯ショップに安いスマホを買いに行った。番号もLINEアカウントも何もかも全て新しい携帯には引き継がなかった。

 

そして今のスマホと一つ前のスマホを持ち、当てもなくドライブに出掛けた。

道すがらあった川に、俺は二つのスマホを投げ捨てた。

強い雨が降った後で、まだしとしとと降り続いていた日だった。

茶色い濁流に俺の2台のスマホは飲み込まれた。

 

 

そして次の日、前日とはうって変わって澄み渡る青空が広がっていた。

俺は人気のない川を探していた。

小さかった頃釣りに行った川、元の家の裏にあった川、いろいろ探し回った。

PCを捨てるためだ。

 

 

ただ、どこに行っても人目があるような気がして、捨てるに捨てられなかった。

 

しばらくドライブしていると、橋の下に河原が広がっていて、そこまで車で下りられる場所を見つけた。

俺はその河原に下り、周りを確認してPCを投げ捨てた。

 

 

証拠隠滅と言えばそうだし、思い出や過去の自分との決別と言えばそうだ。

 

ただ、これらのものを捨てて、俺は少し自分が清らかになった気がした。