無事罰金刑で釈放された俺だが、気分は晴れなかった。
逮捕され、懲戒解雇を受けたという事実もさることながら、俺の中ではこの事件はまだ終わっていたかった。
その理由は二つある。
一つ目
再逮捕の危険性の有無が見えなかったこと。
以前にも書いたが、まだ時効を迎えていない余罪が俺には幾つかあった。
釈放されて後、余罪がバレて逮捕された例があるのか。それが気になって仕方なかった。
二つ目
会社や被害者の親からの損害賠償請求や民事訴訟が考えられること。
また裁判となれば、就職どころではない。
また解雇されてしまう。
しかも、賠償できるお金はない。
そうなれば自己破産して完全に再起不能に陥るしかない。
この二つのことにずっと怯えていたのである。
このことが俺が職業訓練を受ける決意をしたことにも繋がっていく。
次回以降はそれぞれのことについてどう対応したのか、記憶の限りの流れを書いていこうと思う。
まだまだ俺の不安は終わらない。
やはり、法を犯すようなことはしない方がよい。
生きることが辛くなるだけだ。