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児童買春で逮捕歴のある初老の冴えない爺さんが社会復帰に挑戦するブログ

ソープ嬢への恋 その6

俺は綿密にデートの計画を立てた。

 

この時、初めてイタリアンの店を予約した。

イタリアンを食べるのも初めてだったし、レストランを予約して行くと言うのも初めてだった。

 

イタリアンに行く前には店から車で30分ほどの距離にある、とあるタワーに行く計画だった。

今はクリスマスと言えばイルミネーションが当たり前で、普通の家庭ですらツリーだけでは飽き足らず、家全体をLEDの電球で包むことも珍しくない。だが、当時はイルミネーション自体が珍しく、当然LEDなんていうのもなかった。

 

そのタワーで夜景を見よう。

 

そして、そこには電光掲示板があり、メッセージを流せるようになっていた。そこで、愛のメッセージを送りませんか、という企画をしていた。

 

何文字以内だったかはもう記憶にないが、制限字数以内で、自分の希望する時間にメッセージを流して確か3000円くらいだったと思う。

電光掲示板と言っても、今の街角の大きなサイネージのような派手なものではなく、電球の集まりで荒いドットの文字が5文字位表示出来、それが左へ流れていくというようなものだった。当時はそれでも凄かった。

 

指定のファックス用紙にメッセージを書き、ファックスで送って料金を振り込んだ。

どんなメッセージだったかは記憶にない。

でも、当時のワクワクした気持ちは何となく残っている。

 

タワーでの夜景、メッセージ、お洒落なレストランに最後はラブホ。トリプルだから6時間はある。

店の料金が20万弱、レストランなどもろもろ込みで5万程。なかなかの出費だ。

プレゼントは考えていなかった。当時はクリスマスと言えば高級シティホテルで高級レストランにティファニーのアクセサリーというのが定番だった時代だが、アクセサリーは前に書いた鳴海ちゃんで懲りていたのだと思う。真帆には宝石類は買わなかった。

 

しかし、俺は逆にプレゼントをもらうことになるのだが……。

 

真帆と店の外でデートが出来、恋人気分を味わえる。そして必ずセックスが出来る。

多分そこまでの人生の中で車の次に高い「買い物」だったが、全く高いとは思わなかった。

それよりも真帆と過ごせる夢のような6時間を想像して、楽しみで楽しみでならなかった。

 

俺は休職していながら、そんな金の世界の恋物語に没頭していた。

 

(つづく)