多くの通常逮捕がそうであるように、俺も月曜に逮捕されたので今日は土曜だった。
週末は特別なことが二つあった。
一つは朝食がパンだった。
食パンがパサパサで不味いのとご飯が好きな性分もあってちょっとショックだったが、一緒に出た青リンゴゼリー、カフェオレ、イチゴジャムが美味しかった。
勾留中は甘いものがないので、気晴らしになった。
もう一つは土日は運動の時間がなく、外の空気を吸えなかった。
パニック障害の俺にとってこれはかなり辛かった。
気分が悪くなり、おねがいして外に出してもらった。
俺を大事にしてくれ、昨晩薬を持ってきてくれた白髪のおやっさんが対応してくれた。
そこで介護福祉士の資格をとるといいと話をしてくれた。この時は介護福祉士の資格がどういうものかは全く分かっていなかったが、少し介護の仕事に興味を持ち始めていたので、親身になってくれるおやっさんを本当にありがたく思った。
10時過ぎに取り調べがあった。
何もすることがなく、ずっと黙っている生活なので、取り調べで呼ばれると嬉しかった。
俺はT刑事さんが好きだったのもあったが、こういう環境で結構口を割る犯罪者もいるのではないか、そういうのを意図的に警察は作り出しているのかもとも思う。
取り調べが終わった後、担当さんがバケツと雑巾を持ってきて、畳の水拭きとトイレ掃除をするように言われた。
昼食はカレーだった。
この日のこの食事が俺の勾留生活初めての完食だった。
逆に夕食は揚げ餃子、アジフライ、切り干し大根と油濃い物が多かったので、全部は食べられなかった。
19時30分頃、弁護士が来てくれた。
土曜だから基本は休みだったろうに、俺が早く出るために裁判所にアピールするための誓約書などを持ってきてくれた。
夜は俺のお気に入りの一人の警官が担当で、安心して薬をもらえた。
穏やかに過ぎた1日だった。