重い鉄の扉が開くと、いつものT刑事さんがおられ、俺を取り調べ室へ連れていった。
「今日は押収物の引き渡しをします」
俺が逮捕されている間、会社の寮と他県にある俺の自宅マンションに家宅捜索が入り、PC、援交当日の洋服(カメラに映っていたもの)、家に置いておいた古いスマホ(盗撮用に使っていた)、DVD、カギなどが押収されており、DVD以外は返すとのことだった。
ただ、まだ釈放されたわけではないので、現物は釈放当日に受けとるそうで、何を押収したかという一覧を見せてもらって確認した。
その後、T刑事さんは俺の再逮捕がないこと、勾留期限が○日になったこと、それまでに検事の取り調べがあり、略式起訴を認めるかどうかを聞かれること、判決はどうなるか分からないが、勾留延長の日数から考えて刑務所行きということにはならないだろうということ、これで警察の取り調べは全て終了することを伝えられた。
1時間ほどで部屋に戻され、俺はほっとしたのか2時間ほど眠ってしまった。
5時前に起きると、俺は警察の人に向けて手紙を書いた。
T刑事さんには俺の立場になった取り調べをしてもらったこと、勾留の間、俺のパニック障害や皮膚病など様々な配慮をしてもらったこと、話を聞いてもらったことへの感謝など、逮捕された犯人が警察に感謝するなど本当はおかしいことなのだが、いろいろな思いを便箋に書き連ねた。
夕食は白身フライ、ハンバーグ、唐揚げ、たくわんにオクラとめかぶを和えたものだった。
19:00にN先生が来てくれた。
今日T刑事さんから聞いたことを全て報告し、検事への対応を話した。
消灯後少し寝たが、すぐに目が覚め薬をもらう0:00まで眠れなかった。
3時間ほど眠り、5:00には布団を畳んで起きていた。