弁護士への相談は、法テラスや市区町村開催のやつなど無料のものが幾つかある。
前にも少し書いたが、お金のなかった俺はその類いをフルに活用させてもらった。
法テラスでは余罪のことを相談し多分大丈夫だと言われた。(結果時効を迎え大丈夫だったが、これは多分の領域をでなかったので、本当に不安だった)
市区町村のものは、自己破産について相談した。
児童買春で逮捕されたこと、マンションのローンが残っていることを正直に全て話し、マンション売却がうまく行かなかったときは自己破産出来るのかと相談した。
理由が理由だけに、こういうケースで自己破産が認められるのか不安だったが、結果は可能だということだった。
具体的な流れも教えてもらい、名刺ももらった。
「ただ、マンションが売れることが一番たかさんさんにとっていいので、売れるといいですね」
そんな言葉で俺を見送ってくれた。
マンションの売却と合わせ、家財道具の処分も始めた。
マンション購入に合わせ、俺は大型テレビ、ソファーベッド、セミダブルのベッド、サウンドバー、シャンデリア、ロッキングチェア、ラグなどなど、これでもかと金を使って部屋に見合う家具や家電製品を揃えた。
実際俺が下見に行ったとき、実にお洒落なレイアウトになっており、それに憧れた。
前の所有者である社長の部屋そのものを再現したかった。そして実際にものの値段はきっと同じではなかっただろうが、色もそっくりに仕上げた。
ただ、テレビは小さいのをもう一台持っていたし、仮にマンションが売れ賃貸に引っ越したとき、この大型テレビやベッド、ソファーはどう考えても邪魔になるものばかりだった。
せっかく買ったのにもったいなかったが、それこそ背に腹は代えられない。
俺はリサイクルショップに売ることを決断した。
(つづく)