既に教室の中には5人ほどの受講生が来ていた。
「おはようございます」と誰にともなく挨拶し、自分の席を確認し座った。
全部で受講生は10人。男は俺一人だった。
この前の適性検査に来ていた人が来ているようだった。
テキスト5冊とエプロンを購入し、偉い人の挨拶を聞いて、講義が始まった。
割りと席の間隔もゆったりしており、俺の席はたまたま一番前だったため、圧迫感もなかった。
年配の方もいるため、割と講義の雰囲気もまったりしていているのがよかった。
最初、先生に促され他己紹介を行った。
隣の人と名前などの交換をし、なぜ介護の道に進もうと思ったのかを話し合って、お互いに相手の紹介を他の全員に向かってするというものだった。
俺の隣は40代の主婦で、気のいい方だった。
なぜこの人が介護に進もうと思ったのかは覚えていない。
ただ、自分はどう話したかは何となく覚えている。
体を壊して転職をしようと思ったが、仕事を考えるなかで、人と接する仕事がしたかった、そんなことを語った。
まさか、逮捕されたなんて話は出来ない笑
少し和気あいあいとした雰囲気も生まれながら、あっという間に4時になった。
マンションへと帰る道すがら、よかった、発作が出なかった、と安堵していた。
ろくに運動もしておらず、外にもあまり出ていなかったので、歩いて15分ほどの教室への行き来だけで結構疲れた。
何とかなりそうだ。
今日から4ヶ月間、しっかり頑張ろう。
この日はとてもよく眠れた。
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更新を休んでいる間もたくさん来ていただきありがとうございました。
新年度が始まりましたね。
介護の仕事は別に年度が変わったからどうだとかいうこともないのですし、自分自身も周りも異動はないので(うちの施設は年度途中の異動が多いです。女性の職場なので、産休がほとんどの異動理由ですね)変化もありませんが、唯一学校出の新人の子が入ってきます。
若い子は介護にとって宝です。
うちのフロアは2年続けて新人を退職させているので、少しでも支えになれたらなと思っています。おっさんが若い女の子に声をかけるのも勇気がいるというか、余計なことになっても嫌なんですが、でも、やはり辞めるというのは寂しいです。
誰だって辞めることを前提に入職することはないわけですから。
でも、介護の場って何か新人さんに期待しすぎるというか、冷たい感じがするんですよね。少しでも変えていきたいのですが。
私、新人研修の講師もするんですよ。
講師をするほどのポジションでもないのですが、そういう声がかかるということは自分にとってありがたいことです。
いい話が出来そうな準備もネタも出来たので、新人さんに介護ってやりがいがあるなと感じてもらえたら嬉しいです。