逮捕されても前向きに生きるブログ~人生をやり直したい人たちへ~

児童買春で逮捕歴のある初老の冴えない爺さんが社会復帰に挑戦するブログ

厄介なパニック障害

N先生との面会が終わり、俺は牢屋に戻った。

 

終わった、その思いが募りに募って俺は例のパニック障害の発作が出てきた。

 

発作が出る度に警官を呼び、運動の場所である屋上のようなところに連れていってもらっていた。

ただ、あまりに頻回だと警官にも迷惑をかける。

ダメもとで警官に病院に行かせてほしいと頼んでみた。

 

その場では保留だったが、後から年配の白髪交じりの警官がやって来て

「2時から行くよ」

と言ってくれた。

 

これで薬が飲める、俺はちょっとホッとできた。

 

昼食のメニューはがんも、ちくわ、高野豆腐にんじんの煮しめ、ロールキャベツ、ひじき、タクワンだった。

基本食事のメニューはローテーションで何日かたてば同じメニューが出てくるのだが、俺はこの煮しめの昼食が一番ありがたかった。

 

年も年だし、揚げ物や油ものはまだ逮捕されたダメージが強く残っていた俺には辛かった。煮物の優しい味が、俺の胃にしみた。

 

2時になるといつも俺が外に行くとき付添いになる若い警官が来てくれた。

その時、いつものように身体検査を受けベストを着させられるとき、小太りの気の良さそうな警官が「ベストはいいやろ」と言ってくれた。

「逃げたきゃにげればいいぞ」

笑いながらそう言ってくれた。

もちろん手錠はされるし、こうやってどこかに連れられるときはサンダルを履かせられるので、なかなか逃げるのは難しいのだが…笑

 

ただ、腰ひもを通すためのベストを免除してくれたのは、犯罪者である俺を信じてくれたような気がして、涙が出るくらい嬉しかったのを覚えている。

 

そうして俺は精神科に向かうのだった。