昼飯は玉子丼だった。
昼飯は二段重になっていて、一つがご飯、一つがおかずというパターンなのだが、おかずの重に卵とじが入っていて、具はカニかまだった。
昼飯のローテーションメニューの中で、この玉子丼は数少ないいけるメニューだった。
夕方には署長巡回というのがあった。
担当の警官が「今から署長さんが来るから、正座しろとは言わないけど、寝てずに起きて挨拶くらいするといいよ」と言っていた。
一応あぐらはかいていたが起きて通路の方を見ていた。
署長とやらが来て、「体は大丈夫ですか」と言っていた。
俺を逮捕しておきながら何を心配するようなこと言ってんだよ、とこのときは素直になれず、スルーしてしまった。
ありがたくも何ともなく、警官たちが署長に向かって敬礼!と言いながらうるさいのが気に触った。
夜飯はご飯、海老カツ、あとひとつフライものにほうれん草とキノコを煮たものが入っていた。
おかずは全部食べたのだが、未だに全量は食べられず、ご飯は半分以上残してしまった。
夜も相変わらず眠れず、12:00に薬を飲んだ。
それからは知らぬ間にうとうとして、寝てしまっていた。
少しずつだが、この檻の中の生活に慣れ、そして疲れを感じられるくらいに平常な精神状態になってきたのかもしれない。