逮捕されても前向きに生きるブログ~人生をやり直したい人たちへ~

児童買春で逮捕歴のある初老の冴えない爺さんが社会復帰に挑戦するブログ

逮捕19日目 その2

外は冷たい雨が降っていた。

この逮捕の期間で初めての本格的な雨だった。随分寒く感じた。

 

部屋でイライラしている俺を見て、一夜限りの同居人となったじいさんが、おかしいな、すぐ呼ばれると思うよ、と慰めてくれた。

 

昼飯の時間になった。

まさかまたここで昼飯を食べさせられるとは思っていなかった。

何を食べたのかすら覚えていない。

ふてくされて窓の外を見ていたとき、64番さん、と呼ばれた。

 

やっとだ。

俺は瞬間立ち上がり、じいさんがおお、よかったねと声をかけてくれる。

俺は挨拶もそこそこに檻の外に出た。

 

護送車から見る裁判所までの道。

これまで何度も見た。

遂にこれが最後なのか。

いや、釈放されたらもう一度この道を通ろう。今度は手錠されずに自由の身で、ここを歩いてみよう。そして2度と過ちを犯さないことを改めて誓おう、そう思っていた。

 

12:30、裁判所についた。

待ち合いの中で俺の嫌いだった警官が、「いいところに勤めていたのにもったいないことしたね」と声をかけてきた。

そう、もったいないことをした。

 

俺は最初教員になり、女絡みで辞めたが次の職場で10年以上かけて収入をもとに戻したものの精神的に病んで辞め、また安月給になったところで転職活動をこつこつ進め、また何とか500万を越える年収を手にしたところだった。

 

しかし、そのときはそんなことなどどうでもよく、早く自由になりたい、早く会社の寮に行って荷物を引き上げたい、そんなことを考えていた。

 

そして俺は、裁判官の待つ部屋に呼ばれた。