俺が休職して半年後だっただろうか。
復職することになった。
状態は全く変わっていない。
でも、いつまでも休んでいるわけにもいかない。
担任だった俺は副担任となり、元のクラスに入った。
元のクラスと言っても学年30人弱の1クラス、子どもたちは保育園の時からずーっと同じメンツだ。
男はあっさりした性格のよい子どもたちだったが、女はこの年頃の特有の難しさに加え、長年一緒に生活して既に出来上がっている強弱関係もあってネチネチしていた。
その閉塞感が嫌で俺はよく怒鳴っていた。
もともと俺は女の扱いが下手くそだった。
講師として採用されたときから女生徒からは嫌われることが多かった。
厳しい先生に映っていたようだ。
実際はただのヒステリックだったが……
特に今の学校では、いじめられていた女生徒をかばったのだが、その女生徒に裏切られた。というか、俺の指導の仕方が下手くそだった。
たぶん俺に彼女でもいれば、俺自身が精神的に安定も出来ただろうし、女の扱いにも少しは慣れられたのかも知れない。
俺はちーと別れてから彼女も出来ず、学生時代もふられてばかりいたので、恋愛偏差値がないに等しかった。
授業をしても、クラスに入っても、憂鬱で憂鬱で仕方なかった。授業が成り立たないということはなかったが、俺の居場所はなかった。
俺はまた体調を崩し始めた。
そして、朝起きるのが辛かった。
遅刻などしたことがなかった俺だが、朝起きられずに遅刻し、職員室に入らずそのままクラスに行くことがあったり、授業こそサボらなかったが、朝の会に行かず、図書室に隠れていることもあった。
そんな俺に気付き、教頭が図書室まで来て、俺に朝の会に行くように促した。でも、行けなかった。
俺はどんどん自信をなくしていった。
そして、真帆の言葉を思い出していた。
もう死のうかな。
そんな思いが、どんどん募っていった。
(つづく)