逮捕されても前向きに生きるブログ~人生をやり直したい人たちへ~

児童買春で逮捕歴のある初老の冴えない爺さんが社会復帰に挑戦するブログ

ソープ嬢への恋 その13

以前、真帆は店のマネージャーが好きで、自殺未遂をしたと書いた。

 

俺はそれになぜか甘い憧れのような感情をずっと抱いていた。

真帆はバファリンをODしたと話していた。

 

確か5月のGWの時期くらいだったと思う。

 

休みの日、俺は車を街へと走らせていた。

 

何せ勤務地は僻地で、一番近いコンビニまで車で20分かかるところだった。

 

事前にネットで俺の体重でのバファリンの致死量を調べていた。

120錠だった。

 

今ではODごときでは簡単に死ねないことは知っているが、当時はこれで死ねると思った。

 

一つの店でバファリンを多量に買うのは不自然だ。俺は街のドラッグストアをはしごして、必要量のバファリンを手に入れた。

 

衝動的だった。

遺書も書いていなかったし、家の片付けも全くしていなかった。

ただただ今の苦痛から逃げたくて仕方なかったのだ。

 

俺は大量のバファリンと2リットルのペットボトルの水を車に乗せ、当てもなく死に場所を探すため車を走らせた。

 

いつの間にかとっぷりと日は暮れ、真っ暗になった。

俺は来たことのない山道を車で走り、路肩のあるところに車を止めた。

 

ここで死のう。

 

俺は箱からバファリンを取りだし、次々にシートから出して10錠ずつくらい水と一緒に飲んだ。

 

シートから薬を出してはまた飲みを繰り返し、俺は10分ほどで「致死量」のバファリンを飲み終えた。

 

その時の感情は全く覚えていない。

実はこの数ヵ月後また自殺未遂をするのだが、このときの意識を失うまでの感情は割とはっきり覚えている。

 

ただ、1度目は何を考え、どう感じていたのかは覚えていない。

本当に衝動的だった。

 

バファリンを飲み終えた俺は車のシートを倒し、暗闇の外に見える星空を眺めた。

 

(つづく)