いつもと同じ朝を迎えた。
いや、いつもと大きく異なる朝が10日目となり、非日常が日常となりつつあった。
今日は検察に行き、検事の取り調べがあった。
この検事はまあまあ若く、若さ特有の正義感の強い、高圧的な男だった。
悪いのは俺自身なわけだが、こいつの前では心を開けない自分がいた。
検事はここまでの事実確認を行った。
その中で、なぜ相手の子にカカオのやり取りを消してと言っているのに、ホテルは実名で、しかも足のつきやすいクレジット決済をしているのか、と聞かれた。(俺はラブホではなくビジホを使っていた)
証拠隠滅を計画的にしようとしている割に、証拠を自ら残すような脇の甘さもあり、そこが検事は理解に苦しんでいるようだった。
そんなもの、答えは簡単で逮捕されるとは思っていなかったし、カカオ消しては警察というより親に見つかるのを避けたかったのだった。
しかし、そんなことを語るわけにもいかず、相手の子は年を未成年だとごまかして条件を吊り上げようとしているだけだと思っていた、本当に未成年だとは思わなかった、というようなことを語った。
もちろん、そんなことは俺の罪を軽くするのに微塵の役にも立たなかった。